海 に 溶 け る 。




「あたしッ、まだ生きていたい……!」

涙が頬をつたい、海に落ちる。

「うん」

直が静かに頷く。

「生きていたいんだッ…!」

「うん」

「うわぁぁあぁ!!」



あたしは直にしがみつきながら泣いた。

“ごめんなさい”“ごめんなさい”と繰り返すたびに直は“うん”“うん”と、ただ優しく頷いてくれた。


抱きしめた直の温度があまりにも暖かくて、嬉しかった。