言葉がでない。 さざ波の音だけが聞こえる。 「……そんな自分なら死んでもいいんだろう?」 ふと見た直の顔は、突き刺すような視線をあたしに突きつけていた。 「……何言ってんの…?あんたさっき“そんなこと言うな”って言ったじゃない!」 「……怖じ気付いたのかよ?」 馬鹿にされてる気がした。 「……いいわよ。死んでやるわ。どうせあたしなんかが生きてたって何もいいことないんだから」