「未央、着いたよ」 直のやさしい声に閉じた目をゆっくりあける。 どうやらあたしは泣きつかれて知らぬ間に眠っていたらしい。 ガキかよ。 泣く姿を見られた恥ずかしさと、その後眠ってしまった恥ずかしさが入り交じって顔から火が出そうだ。 だけど直はさっきのことがなかったかのように明るい笑顔で車から降りた。 あたしもシートベルトをはずし、車から降りた。