響はたまに、死ぬまで一緒だったらどうしようかと心配になることがある。死ぬまでこんな、能天気で鈍感なばかと一緒だったら。想像するだけでも嫌になり、脳裏に浮かんでしまった悪夢を、無理矢理に打ち消した。


奏はというと、これからのことにワクワクしている様子だ。


明日からどんな感じなのかな。憧れだった高校生ライフ!勉強は嫌いだけど。もしかして彼女とか出来ちゃったりして!あぁそうだ部活どうしよっかな、中学は野球部だったけど違うこともしてみるか。ちょっと音楽関係出来たらカッコよくね?


お互いに全く別の事を考えながら廊下を進み、1年3組の教室へ向かった。


席は縦と横に男女4列ずつあり、奏の席は後ろから2番目の窓際だった。響は一番後ろの窓際、まさかの前後である。


これからまたこんなやつを目の前に授業を受ける事になるのか。響は頭が痛くなった。