少し沈黙してから鈴がゆっくり口を開く。

「波瑠。触られることに嫌悪感があったのは波瑠の心より先に体が気づいてしまっていたの。これは愛じゃないって。愛されていないって。本当の自分を愛してはくれていないって。」鈴は目に涙をためた目で波瑠を見つめた。

「波瑠何で我慢しちゃうの?いいんだよ。波瑠が思うことをすればいい。期待に応えようとしなくていい。私は波瑠の可愛い顔ばかりが見たいんじゃないからね。怒って、泣いて、怖がって、そして、笑おう。それが生きてる証拠!!波瑠は生きてるの。これやそれじゃなく波瑠なんだから。全部が波瑠なんだからね。」

(何で分かるんだよ。怒ってること。俺が泣いてること。怖がってること。気づいてくれたやつなんていなかったのに……)と言うと声をあげて泣いた。

「うんうん。」
と鈴は静かに微笑むと泣いて目を真っ赤にさせたウサギさんを撫で続けた。ウサギが眠りにつけるまで。