俺らの飼い主様

(は?お前何してるの?)

「ん?撫でてるの。ダメだった。」

今まで触られることは当たり前だった。嫌悪感しかなくて、触るな触るなっていつも思ってた。
何故だ?鈴にはずっと撫でてほしくなっちまう。

(俺さ……)なに言おうとしてるんだと急いで頭をふった。

「いいよ。話そうっていったでしょ。」

(俺は、ずっと蓮斗が羨ましかった。蓮斗と俺は逆なんだよ。蓮斗は拒絶されていた。俺は……溺愛いや狂愛って言う方に近い。子どもの頃から可愛い可愛いって言われ続けた。変化しても同じ。可愛い可愛い可愛い可愛いって猫っ可愛がりしてきた。ウサギだけど(苦笑))

鈴はゆっくりと撫でながら、聞いてくれている。

(羨ましく思う奴もいるだろうけど俺にとっては苦痛だった。触られるたびに嫌悪感がして。俺が拒否することは許されない。監禁に近い状態だった。そんなある日、母さんが俺を抱き締めながら姉ちゃんに言ったんだよ。これは私のよ。って。姉ちゃんも負けじとそれは私の返してって。なんだよ。これとか、それって。俺は生きてるのに。まるでオモチャのように…その後は我慢もできなくなってここに来たんだよ。)

「そっか。」
(さっきの女の子が言ったんだよ。私のオモチャみっけって。そしたら動けなくなった。またかよって。怖くて動けなかったんだ)