「メリークリスマス、藤宮くん! クリスマスプレゼントだよ!」



乃々羽サンタからのね、 なんちゃって。

ふざけたことを言おうと思ったけどそれ以上に伝えたいことがあったから口を閉ざして、そして決意して口を開けた。




「藤宮くん、あのね。 私今日、今までで一番幸せな日だよ。 だって…その……す、好きな人!に誕生日を祝ってもらったから!」


「…え?」


「藤宮くん、こんな私のこと好きって言ってくれてありがとう。 私もね、藤宮くんのことが……大好きだよ」




ああ、やっと伝えられた。 私の精一杯の想いを。


すると、藤宮くんは一粒そしてまた一粒と涙を流していた。

それは酷く綺麗で思わず息を飲んだ。



「藤、宮くん?」


「どうしよう。 俺めっちゃ幸せだ。 幸せ過ぎて涙止まらない」




頰に伝う涙を拭うことなく、ただ涙を流す藤宮くん。

そんな藤宮くんを私は抱きしめた。


藤宮くんが座っていてくれてよかった。 もし立っていたら抱きしめることができないもんね。



「好きだよ、藤宮くん。 すっごく好き」


「……うん、俺も好きだよ。 乃々羽」




藤宮くんと出会えてよかった。
藤宮くんを好きになってよかった。


これからも藤宮くんと一緒に素敵な思い出を作って行きたい。

きっと、挫けることだって喧嘩することだってあるだろう。

だけど私はもっともっと強くなって藤宮くんを守っていきたい。 時には藤宮くんに守ってもらいたい。



そうして、私たちは生きて行くんだろう。

この長い長い人生を。





*END*