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藤宮くんのお見舞いに行き数日経ったお昼休み。

ナオ先輩と食べることがなくなった今は未愛と二人で私の教室で食べている。

お昼のチャイムが鳴って数十秒後、満面な笑みを浮かべて未愛が来るのは毎日のことだ。

私の前の席の子から椅子だけを借り、席が窓際なので壁にもたれながら未愛はお昼ご飯を食べる。


最初は黙々と食べる私達だが、どちらかが喋り出すと会話が広がっていき、ついついご飯を食べるスピードが遅くなってしまう。


今日も最初は黙々と食べていたが話を切り出したのは未愛だった。




「朝の話、詳しく聞こうか」




朝の話? とハテナマークを浮かべて首を傾げる。たしか今日は未愛が花の当番とかで一緒に行けないからバラバラだった。

だから未愛とは何も話していないのになんのことだろうと未愛を見つめると、未愛はため息をついてやれやれと言わんばかりに首を左右に振る。



「あのねえ〜。 噂になってるから。 あんたが藤宮くんとクリスマスデートするって」




その言葉に私は今朝の出来事を思い出した。