「藤宮くんだよねー? 今着替えてるよ」


「そっか」



やっと私の頭から手を離してくれた未愛が本題に入ってくれた。
未愛のクラスの出し物は『なんでも喫茶店』だ。

扉からちらりと中を見ると未愛のように可愛らしい服を着ている子やカッパや亀のようにギャグを狙った服を着ている子もいる。


……藤宮くんはどんな服なんだろう。



「乃々羽のクラスは裁縫だよね? 乃々羽はなに作ったの?」


「私たちはシンプルなワンピース」


「私たちってことは1人で作るわけじゃないんだね。 なんだか私、自分のクラスの出し物ばかり話しちゃって乃々羽のクラスの話聞いてなかったね……。 ごめんね?」



いきなりシュンと落ち込む未愛を見て少し笑ってしまった。



「大丈夫だよ。 未愛の話面白かったし…!」


「そっか…、ありがとう!」



笑う未愛を見て私もつられて笑ってしまう。


ナオ先輩と話してから私は勇気を出してクラスの女子に話しかけたのだ。

『一緒に出し物作ってもいい?』って。

断られたらどうしよう、とか
不安がいっぱいだったけどその人たちは快く私を受け入れてくれた。