***



「乃々羽ー!」


「あ! 未愛!……え? 未愛?」



文化祭当日。一般公開時間の10分前。

私は前々から約束していた藤宮くんと一緒にまわるため、彼のいるクラスに訪れた。


すると扉付近にいた未愛が私に気づいて声をかけてくれたが……。



「どうしたの? その格好……」


「んー? どう? かわいいでしょ?」



フリフリのスカートにフリフリのエプロン。
THEゴスロリの服を着ていた。

しまいには一回転して決めポーズ。


……なんだか私の知ってる未愛じゃない気がする。


未愛の私服はいつもパンツでスカートは一切履かないから新鮮だ。…いや、新鮮すぎる。




「に、似合ってるね…」


「乃々羽さん。顔引きつってますよ」



そう言われて自分の頬を触る。

あ、ほんとだ。



「だ、だって未愛がその格好……」


「似合わないとでも?」



未愛は思いっきり私の頭をぐしゃぐしゃにする。

やめてと反抗しながらも笑みがこぼれた。