私の目の前で桜がひらひらと舞っていく。


……もう、春か。とぼんやり思いながら大きな桜の木のしたで友だちを待つ。



なんともいやな受験生という壁を乗り越えてやっとなれた高校生。


セーラー服がブレザーに。
スニーカーがローファーに。


何もかもが違って頬が緩む。



と、そのとき。


「のーのーはー!」



少し、離れたところから自転車に乗りながら手を振る、

私が待っていた友だちがやって来た。