すると、見る見るうちに母の表情が変わっていった。
…なんて言うか、青ざめ半分、嬉しさ半分の半分、焦り半分の半分という感じで、とても複雑な顔をしていた。
そして、その後の開口一番が「その子、もしかしたら“蝶原グループ”の娘さんじゃあ?」
そう聞いて、僕は一気に青ざめる。
蝶原グループと言えば、表社会では医薬品から車まで扱う会社となっているが、裏社会では思いっきりの“極道”系統の人達であった。
なぜ知ってるかって?まあ、テレビでやってた。これくらいで我慢してください…
まあ、そんなこんなで僕はこんな人と付き合うことになったのかと思うと、自分自身に対して呆れた。
それと同時にもう二つの気持ちが自分に芽生えていた。
一つは、嬉しいという気持ちだった。
だって、そんなお嬢様に僕が選ばれたんだから。
そして、もう一つ。
それはーーーーー。
その日の夜。母にきちんと別々の部屋で寝るように言われた後、百合歌さんと話をしてから、部屋を分かれて寝た。
