そして、彼女が見えた時には、彼女がものすごく嫌がってるのに無理矢理連れていこうとする男達という地獄絵図が広がっていた。

彼女は何度も、「嫌です!放してください!」と叫んでいた。周りに誰もいないと思っている男達は、「良いじゃん?なにせこの俺とあんな事やこんなことできちまうんだぜ?」など、ありとあらゆる16禁の暴言を吐いていた。

そして、彼女の目が一瞬僕を捉えたが、どうせ助けてなんかくれないんだろうなという目だった。

そこから察するに、何度かこんなことには遭っているようだ。

そして、それを察した次の瞬間、彼女の目からは僕が消えたように思えただろう。

否、ほとんど一瞬で10m程を走って男達に気付かれる前に男達に手刀をかましていった。

その流れるような動きに、彼女は「…ふぁえ?」という妙な声を出しながら尻餅をついている。