春先高校。

正門を入ってすぐ、クラス表が目に付いた。

その前には、すでにたくさんの人だかりができている。


(見えるかな…。)


私は身長が高い方だが、170や180を超える男子にはかなわない。

紙の上から半分も見えていない。


(ん〜、どーしよう…。)


人が多すぎて入り込むに入り込めず、後ろの方で背伸びをしているしかなかった。


「君の名前は?」


後ろから突然声をかけられ、つま先立ちをしていた私は、驚いてバランスを崩してしまった。


「え!ぅわ!」


「おっと…。ごめん、大丈夫?」


私に声をかけたであろう長身の男子が私を支えてくれた。