薄墨に澱みゆく僅かな理性に
まだ堕ちたくはないと手を伸ばす
それはハリボテの心情

砕かれた世界に何があるの
引き裂いた過去に何を見出だすのか

目を背け塗り固めた「黒」
総てを無に還してくれると
只 信じ疑わなかった
総てを染め上げ帳が下りる
あなたの面影映した
白い花弁ひとひら 揺れる

夜闇に呑まれゆく微かな愉悦に
在りし日の残像重ねては
やがて破滅の神楽へ変わる

憐れみの言葉で何が生まれ
抉られた傷跡に何を見出だすのか

目を背け塗り固めた「黒」
総てを無に還してくれると
只 信じ疑わなかった
総ての想いが疼き震える
あなたと共に見上げた
白い花弁ひとひら 散りて

抱き締めて欲しいと願えば
救われる心なら
溢れる涙さえも 受け止められる

果てしなく響き渡る歌
抗う術を持たぬ私を
只 優しく促すだろう
総ての想いは玉響の中
あなたへ寄せる言葉に
白い花弁ひとひら 揺らめく

白い花弁 闇に溶けゆく…