君を想いて

春の桜吹雪が散る中








夏の木漏れ日の木の下








秋の夕焼けに染まる放課後の教室








冬の雪が降り出しそうな澄んだ空の下








あなたは好きな人をどんな所で見つけましたか?









私が貴女を初めて見つけたのは雪が降りだしそうなクリスマスイブの日だった。










私は帰りに財布を落として軽く絶望しながら財布を探していた










辺りには幸せそうなカップル、子供の手を引いて、プレゼントを買いに行く親子











そんな中に貴女は1人、凛と咲く花の様に列に並んでいましたよね。












今日発売される新作のエロゲーを求めて。












・・・・・ん?











俺は目を疑った。









もしかすると何かを見間違えたのかも知れない。









そう思いもう一度そちらに目をやる。










そこには腰辺りまである黒髪を風になびかせ、凛とした表情でエロゲーの行列に並ぶ女性の姿があった。











見間違いではなかった。











一目惚れに落ちた衝撃とその人がエロゲーの列に並んでいると言う衝撃。












声をかけたい。












そんな衝動は即座に鎮められた。