「わたしは ひとり このせかいを みてきたの」
寂しくて、切なくて、泣き出したくなるような声が響き渡りました。
「おともだちが ほしかったの」
その言葉は、私の心を キュウっと締め付けるようでした。
「わたしと いっしょに たびをしようよ」
私は イヤイヤと首を振り続けました。
まだ役目のある美しい命を、自分勝手に振り回す「未来」の正体を
恐ろしい「化け物」だと思っていたからです。