僕は、とある学校、とある学年、とあるクラス。名前は誰か。

なんてのは当の嘘で、

空波中学校、2年3組、名前は相沢 千冬。(あいざわ ちふゆ)

これが本当の僕の名前。


空波中学校、2学年のクラスは全部で4クラス。

クラス替えは春にして、卒業までずっとこ

のクラスメイトと過ごしていく。

友達が居ないわけでもなく、そこそこ人気

者な僕は、まあ楽しく過ごしていた。


学校に来るまでの道のりは憂鬱だ。

だけど教室に入ったとたん空気は変わる。

おはよう、の声が響く教室は半ば雑音に溢れているが、それこそが安心する。

静かな朝の想定を覆して、喧騒にまみれる空気は僕の気分を溶かす。


そんな教室にも、もう飽きてきた。


そうすると人は陰謀や反逆に奔走する。

でも僕は、それほど゙飽きた環境゙を憎んでいるわけでもないし、廃れていると感じているわけでもない。

だからこそ、『人の為になる何かをしたい』と想ってしまったんだ。



この時、少年の照準は¨一人の少女¨に定まった。