蓮琉から帰ってきた返事はいがいなものだった。
「うん、知ってたよ。」
「え?知ってた?」
「うん。」
「どうし…て。」
「お母さんから聞いた。」
「美玲さんが……?」
「うん。」
「いつか知ってたの?」
「一年前。」
「うそ…。」
「俺はね、知って姫乃に告白した。それでも好きだったから。」
「うん。わたしもね好きだった…。」
「ちゃんと過去にできてる?姫乃は…。」
「ううん。まだ、出来てないのかも。
それでも、蓮琉には幸せになって。」
「うん。俺も。まだ、無理みたい。」
そういい、抱きしめてくれる蓮琉。
これが最後。そっとわたしも抱きしめ返した。
「蓮琉、お姉ちゃんと幸せになって。」
「ん、ありがとう。姫乃には歩がいるから大丈夫。」
「歩?笑
歩には好きな人がいるんだよ?」
「ふっ。姫乃は相変わらず鈍感なんだな。」
「何笑ってんの。」
そっと腕をはなす。
「今までありがとう。」
そういい、蓮琉は部屋をあとにした。
蓮琉…。
大好きだったよ。
ありがとう。

