「歩…?」 「なーに泣いてんだよ。」 「あゆ…む。」 「大丈夫?なんかあった?」 そう、優しく抱きしてくれる。 「歩…。わたし…、わた…し。」 「大丈夫だから。帰ろう…?」 わたしは首を横に降る。 「今日おばさんもお父さんも家にいないんだって…。置いてかれちゃった…。」 「うん、知ってる。姫乃の親父さんが言ってたよ。」 「え?」 「多分、ここにいるからって。電話があったから。」 お父さん…。 「俺んちに帰ろう。」 「いいの?」 「当たり前だろ。話聞くから。」