「お姉ちゃんは……
わたしを庇ってくれて…トラックに…。」
それを言うと蓮琉も歩もお父さんもおばさんも
わたしを見る目が違った。
でも、蓮琉だけは蓮琉だけ
それでも優しくしてほしかった。
「ごめ…ごめんなさい。」
溢れてくる涙。
「でも、凛々花らしい。」
蓮琉はそれだけいって
フラフラしながら何処かに行ってしまった。
「なんで…
こんな子なんて守ったのよ…。」
おばさん…。
「おい。」
お父さんはおばさんを支えて言う。
「なんで…。」
歩だって、そんな顔してる。
集中治療室のランプが消えてお姉ちゃんが
出てくる。
「あのっ!お姉ちゃんは?!」
「あ、ご家族の方ですか?」
「はい…。」
家族。
その言葉に反応してしまう。
「そうですか。出血のショックで目を覚ますのに時間がかかるかと思われます。」
医者らしき人はそれだけ言うとお姉ちゃんの方にいった。
おばさんは泣いてる。
ごめんね。お姉ちゃん。本当にごめんなさい。
ねぇ、お姉ちゃん。
早く目を覚まして?

