「お姉ちゃんっ、お姉ちゃんっ。」 どこにもいない。 あれからどのくらいたったのかもわからない。 ただ走って、走ってお姉ちゃんを探してた。 「あ、お姉ちゃんっ!」 お姉ちゃん! 「姫乃…?」 お姉ちゃんは泣いてる。 お姉ちゃんっ! わたしは横断歩道のすぐそこにいるお姉ちゃんに向かって走った。 だからだろう。 横からくるトラックになんて きずいてなかった。 ピピーっ。 急ブレーキを踏む音。 光を放つ車。 わたしは……。