foreverlove ~君がくれた恋~

「久しぶり。姫乃。」

「あ、はい。」

お父さん。そういえば今日だっけ?

玄関を通るわたしに話しかけてきた。

まぁ、言葉通り1年ぶりに見る顔。

久しぶりでもなんでもない。

「相変わらず、ますます春那に似てきたな。」

目を細めて笑うお父さん。

何も笑えない。

そのせいで、わたしがどれだけ

今の"お母さん"に嫌わてれると思ってんの。

何も知らないお父さん。

それだけでもイラッとしてしまう。

「そう…ですか。だから?」

「なんだ、いつからそんなに冷たくなったんだか。」

あんたが居なくなってわたしは変わった。

お母さんの態度も変わったんだよ。

「別に。そんなつもりないです。」

「あら、あなた。帰ってたのね。早くこっちへ来てください。」

お母さんは嬉しいのだろう。

顔が笑ってる。久しぶりにお母さんが笑う顔を見た。

それだけでもこっちは不愉快なのに。

「あぁ、そうだな。今行く。」

お父さんが私の横を通りかかった。

「あの。今週。お母さんの命日です。」

「あぁ、そういえばそうだったな。」

なに。忘れてたの?笑わせないで。

そんなに今の家庭がいいの?

お母さんが愛人だから?そんな態度?

ふざけないでよ。

「なに、忘れたの?笑」

はなでらわってしまう。

「いや、そういうわけじゃ…。」

「あっそ。もういい。」

「ちょ、姫乃。」

下から呼ぶお父さんの声どっちにしろ

忘れてたんでしょ。

しょせんそんなもんなの?

お母さん。戻ってきてよ…。

涙が出るのを必死に抑えて、何事も無かったかのように接しなければいけない。