「あ、姫乃。」 お母さんが久しぶりに話しかけてきたのは 今日の私が目が黒で髪を結んでいるからなのか。 そんなのどうでもいい。 「なんですか。」 素っ気ないのかもしれない。 それでも、わたしは普通に話すことなんて出来ない。 「今日、お父さん帰ってくるそうよ。」 お父さん…。 「そう…ですか。わかりました。」 それだけいい、わたしは家を出た。