言葉に詰まった。

まさかわたしの名前が呼ばれるなんて

思ってもなかったから。

隣で、驚いてるわたしとは裏腹に

やっぱり切なそうな顔をしてる歩がいる。

ごめんね。その顔をさせてるのもわたしなんだよね。

もう、2人ともそんな顔しなくていいから。

「姫乃様。歩様。ステージまでお上がりください。」


「「あ、はい。」」

「それではお2人から一言よろしいですか?」

「はい、この場をお借りしてということで
まことに急でしたが、俺の婚約者の姫乃です。これからもまだ、未熟な2人ですが
皆様のあたたかいご支援のともに頑張っていきたいと思っています。」

パチパチと聞こえてくる拍手。

素晴らしいことを言ってるんだろうな。

「では、姫乃様も一言よろしいですか?」

「はい。この場をお借りして
わたしからも皆様に一言申し上げます。
























わたしたち2人の婚約は破棄させてもらいます。」