「けど?」




「性格はあれだったけどかなりかっこよかったよ。」



うむ、あれで優しくて紳士だったら最高だね。





「うー会いてぇ~」



残念美人の瑠花は、脚をガニ股にして教室中に響き渡る声で言った。


本当に残念…可愛いのに。








「うるせーなお前ら朝から」




「あー、聖(ひじり)だ。おはよう」




「はよ、ありんこ。今日はやたら小さくね?」




「ありんこ言うな。なんなの朝からみんなして!」





ケラケラ笑いながら瑠花と一緒にあたしの身長をいじるこいつは

中学からの腐れ縁の聖 貴弘(ひじり たかひろ)。





実はあたしのアダ名を命名したのは、何者でもないこの男だ。



それも超単純な理由



小さいから、ということもあるけど

あいり、を早く言うと
あーりと聞こえる。


そこから

あーり
あり
ありんこ



本当に単純なやつなんだ、こいつは。