ピッと通話を終了した侑李におずおずと話しかける。






「お、お姉さんいたんだね……」




意外っていうかなんというか

侑李のマイペースな性格は一人っ子ならではのものだと


てっきり勘違い…





「え?あ、うん。二つ上のね。」




「そう、なんだ……」



胸をなでおろした。

あたしはなんで、ホッとしてるのだろう。






「……ほっとしてる?」




「…へっ?してない!」





本音をつかれて
ビクッとした。

心が読まれるわけないのに

いや、こいつならやりかねない…





「ははっ、嘘だ。安心したーって顔してたよ。」




彼女じゃなくてよかった?って顔を近づけてくる侑李を必死に引き離して距離をおいた。







なぜだかこの人は超絶なタイミングで本音をつくのがうまい。



あたしみたいに、人とかかわるのが苦手な人間にとって

こういう人種は苦手。



この気持ちは多分、そのせいだ。







その後もからかわれながら
いつもと変わらない彼にホッとしつつ

あたしの降りるバス停についた。



そういえば、こいつも同じところで降りるんだったっけ。







「んー、いい夕日だね。」





「……ん」





外は以外にも日が大きく傾いて、空一面をオレンジ色に染め上げていた。


春には珍しい夕焼けの空。







「ねぇー、ブロック解除してよー」





相変わらずしつこい彼に
ため息をつきつつ






「…気が向いたらね」







なんて
らしくないことを言うのはきっと



彼の見る目を変えたから
なのかな。