あたしだったら誘われたら絶対行く。

今回は合コンっていう未知の世界だったから行きたくなかったんだけど



もしそれがケーキ屋さんとか、ドーナツ屋さんとかだったら

迷いなく確実に行ってた。



あれ、おかしいな全部食べ物だ。

いつも食い意地張ってるからこういう時も思考が脱線する。





そういえばこの前の瑠花と行く予定だった
ケーキ屋さんリベンジしたいなぁ。



だめだだめだ、食べ物ばっかり…
ダイエットも考えておこう。

チビなのにデブになったらもう最悪だよね。






「…ふふ、顔色良くなってきた」








ツンっとほっぺたをつついてそういった侑李。



その笑顔に、また何かが沸き上がってくる感覚が押し寄せてきた。


なに、今日どうしたのあたしっ!
こんなやつにいちいちときめいて!


思わずそっぽを向いた。




こんな…
こんなやつ……



ちらりと横顔を盗み見る。






西日が茶色い髪に反射して眩しい。

つまようじが乗りそうなほど長いまつげ

すっと通った鼻筋

形の良い唇

中性的な見た目とは裏腹に
喉にはしっかりと喉仏が。





どうしてこんな人が
こんなあたしに構うの。


不思議で不思議でしょうがない。









ブィーン
ブィーン





「あ、やば。マナーにするの忘れてた。」