そんなこんな色々あって
やっと放課後。



聖はバスケ部の練習へ
瑠花はさそくさとバイトへ向かった。

つまり今、あたしは一人。



さすが友達少ないだけある。






「かえろ…」




一人で教室を出た。






誰もいないバス停。
人通りの少ない路地。



バスが来るまでの時間がやけに長い気がするのはきっと


土曜日が憂鬱だから。



そして、一人でいる時間が嫌いだから。

一人ってどうしてこんなに寂しいんだろう。



こんな素直じゃないから
変にプライド意識が高いから
見た目がちょっと派手だから



理由はわかってるのに、一人を回避することができない。




いろいろ考えてるうちに
気がつけばいつの間にか

目の前にバスが来ていて
プシューという音と共にドアが開いた。



いつもの特等席に座ろうとおもったら









「や、藍里ちゃん」










そこにいた。



嫌でも絶対にあたしをほっといてくれない人が。






「侑李……」




自分でもびっくりしてる。




ちょっとホッとしてしまったんだ。

ひとりじゃない、って思ってしまった。



嬉しい、って
思っちゃったの。






「んー?どうしたの?やけに落ち込んでるね。」





「……なんでもない。そこあたしの特等席」



「知ってる知ってる。だから、ほら。
半分こ!」






そういって、開いている隣の席をぽんぽんと叩く。



バスが発車しても、察したのか
なにも聞いてこないし話しかけても来ない。




困るんだよ。本当に。

こういう時だけ黙って側にいるなんて。