とりあえずもう相手にしないことにした。
最初からそうすればよかったんだよね。
バスから降りたあたしに
バイバーイっと爽やかスマイルで窓から
見送る奴を見て
なぜだか余計に腹が立った。
普通は立つわ。
なんか、今日も朝から体力消耗した…
とぼとぼ通学路を歩いていると、後ろからぽんっと肩を叩かれる。
「よ、ありんこ。」
「あ、聖 おはよう。」
耳にジャラジャラピアスをつけた聖が満面の笑みで話しかけてきた。
いつものようにありんこと呼んで何の反抗もしないあたしに小首を傾げる。
「お前最近めっちゃ疲れた顔してね?」
「そう?疲れてるのは確かだけど」
「まさか、あのイケメンと関係あんのか?」
ご名答!!
あります。多有りです。
むしろそれが原因です。
「関係あるっていうかなんというか…」
「ふーん…」
なぜか面白くなさそうな顔をしている聖。
なに?その顔。あたしなんか言った?
「てかあんたまたピアス増やしたでしょ。ホール開けすぎよ。」
「あ?なんだ、心配してくれてんのか?」
「もちろん、あんたの将来をね」
話題を変えるといつもどおりの聖に戻った。何だったの?あれ。
