それは朝。
二度とあんな失敗はしまいと思い、アラームを30分早めてセットしておいたおかげで
寝坊は回避。
さらに余裕を持って家を出てなおかつ
スマホはリュックの中にしまった。
スマホを落とすのを回避。
そして、あの超失礼野郎(イケメンとかもう言わない)に会わないように違う道を通ってバス停まで来た。
なのに
「あ、藍里ちゃんおはよー」
なんで
まるで毎日会っているかのような素振りで
普通に手を振っているあいつがいるんだ。
しかもバス停で。
「なんでここに…ていうかもう会わないって……」
「え?俺、藍里ちゃんに会いになんて来てないよ。学校に行くためにバスに乗るんだよー」
まさかこんなことになるとは思わなかった
毎日同じバスに乗っていたなんて。
あたしの朝の苦悩は…水の泡ってこと?
「もういいわどうでも」
「え?どうしたの藍里ちゃん。すごい遠い目してるよ?」