お母さんが散々起こしに来ていたのなんて知らないあたしは、行き交うサラリーマンの視線なんて気にせず全速力で走った。
そりゃあもう光の早さで。
新学期から遅刻なんて目も当てられないわよ!
もうバスなんてとっくに行っちゃってるし、走っていくしかない!
でもそれでも間に合うかどうか…
スマホで時間を確認すると、さっき家を出てからまだ10分も経っていない。
あぁ、良かった…この調子なら間に合いそう。
新学期早々、悪目立ちなんて嫌だもんね。
ホっとしてつい、前を見ることをやめてしまった
まさにその瞬間。
迫り来る最悪な出会いの相手である人物に気づくことなく
目の前の大きな体に勢い良く(顔から)体当りしてしまった。
ドンッ!
