自由だな!

自由すぎないかこの人!





「あ、あたしはもうあなたに会う気は…」




「芳賀 侑李(はが ゆうり)。」




「はっ?」




「『あなた』じゃなくて、侑李って呼んで」




「えっ、あの」





「じゃっ、またね。藍里ちゃん」







爽やかな笑顔で片手をヒラヒラさせながら、あっという間に見えなくなったあの人。








……………

な、ななな……



「なにごと……」




嵐のように通り過ぎた出来事に頭がついていかず、しばらくそのままぼーっとしていた。










どうしてあの人があたしの名前を知っていたのか疑問に思ったのは

その日の夜に彼からメールが来た時だった。