こんな時の『嫌な予感』は
大体現実になるものだ。
「ない…ない…どこを探してもない!」
帰りのホームルームが終わってすぐに教室を出て、いつものバスには乗らずわざわざ歩いてここまで来たのに…
あたしのスマホが見つかることはなかった。
もう、今日の放課後は瑠花と二人でケーキ食べに行く予定だったのに!
交番に届けられてないかなと思ったけど、残念ながらこのあたりに交番はない。
はぁー…
今日はなんてついてないんだろう。
寝坊はするし、バスは乗り過ごすし
超失礼なイケメンに会っちゃうし
その上スマホまでなくすなんて
きっと今日が人生で一番ついてない日なんだ。
しょうがない、帰ろう。
お母さんに怒られるかな…怒られるよね。
もう何もかもがどうでも良くなっちゃって、そのまま歩いて家に帰ろうとした。
顔を上げて歩き出そうとしたとき
何か大きな物体が視界いっぱいに広がった。
あれ、デジャヴ?
「…あ」
「ん?あれ、朝の鼻強打の子だ。」
それは
今日2度目の最悪な出会い。
