私は何者なのかな
いつもの丘で風にあたりながら考えていた。
「やっといた」
「天…仕事?」
「いや、別に」
「ねぇ、天。私名前、美月にしようかな」
「なっ、なに言ってんだよ。お前はお前だろ!」
「私は美月さんだった。ならこの体も美月さんのものだよ。私はちがう」
「そんなわけ…」
「これから儀式を行います。直ちに泉にお集まり下さい」
「呼ばれちゃったね。行こっか」
2人で泉に向かった。
儀式とは死んだ人が宙から浮いてきて主様が手を引くことで正式に天国界で過ごすことができる。今回は小さい女の子
「今日からここが君の居場所じゃよ。君の名前は、ちい だよ」
「あい!あいがと!おじいちゃん」
そう言って微笑んでいた。
女の子はそのままこっちに寄ってきて
「こんにちは!ちいちゃんね、ちいって言うの!お姉ちゃんは?」
「こんにちは。お姉ちゃんは…美月だよ」
「みーちゃんだね!バイバイー!」
はう、かわいすぎる。
そう言ってちいちゃんは母親役と父親役の元に走って行った。
「お前、いま名前…」
「だって名前ないなんて不思議に思うじゃない」
「そーだけど…名前さ『使』(しん)にすれば?」
「え?なんで?」
「俺の天とお前の使。あわせて天使だろ。相棒だしいいんじゃね」
「考えてくれたの?んじゃ、それにしよっかな」
「無理にいいよ」
「全然無理じゃないよ。いい名前だしせっかく天が考えてくれたんだもん」
「そっか。じゃ、申請しに行くか」
そう言って名前を申請しに行った