そう叫んで目を開ければ、そこは俺の自室だった。いつのまに戻ったのだろう、さっきまで学校にいたはずなのに。…いや、あれも、今のも夢だったのかもしれない
そうだ、何かの悪い夢。現実に起こったなんて、ありえないだろ

そう思うもさっきの夢の生首が、昨日の楓の生首が頭から離れない
夢にしてはあまりにもリアルすぎやしないか

「…そんなわけ、ないよな」

大丈夫だ。学校に行けば今まで通りの日常が待ってる。…楓も、笑顔でいるはずだ

そう自分に言い聞かせ、居間への階段を降りる
母さんが作ってくれた朝食を食べて、俺はいつもより早く家を出た

いつもより大分早いが待ってなんていられない
昨日のは夢だったんだと確認したかった

「浩介、おはよう」

俺とちょうど同じタイミングで美香も家から出てきた。俺達の家は向かい同士に立っているため、ちょっとした事でも会うことが多い

「おはよ。早いな」
「…浩介こそ」

恐らく美香も同じ気持ちなのだろう。早く学校に行って…夢だと確認したかった
学校に進むたびに不安な気持ちは膨らんでいくが、大丈夫だと信じて美香と共に通学路を歩いた