セッションが終了した西島さんが私達の席を訪れた。
「いらっしゃい雪恵ちゃん、セッション聴いて貰えて嬉しいよ。
もう少し早く来てくれていたら、ピアノを雪恵ちゃんに変わって貰えたかも知れないね、残念だったなぁ」
「あら、専属のプロを差し置いて弾くわけにはいかないわ」
「西島、雪恵様はオーナーだろう。言葉遣いを慎めと何度言ったら分かる?
それにお前がセッション出来るようなお相手ではない」
「よう、花村、お前も居たのか。
いつもお堅いボディーガードでご苦労なこったな…。
じゃあ、お前のピアノで雪恵ちゃんに何か唄って貰うのはどうだ?
花村ならお相手出来るんだろうよ」
「お相手はできるが、ここでは雪恵様がお唄いになることはないな」
「西島さん、ごめんなさいね、和樹ったら私がクラブで唄うことに反対なのよ。
ピアノなら後で少しだけ、ね」
「ふん。仕方ないよな、雪恵ちゃんは素人離れしたジャズシンガーでもあるのになぁ…」
「そんなのは、わかりきっていることだ。
プロ並みでいらっしゃるから、もったいなくて西島には聴かせられないんだ」
「……けっ。まったく花村は雪恵ちゃんベッタリで気に食わない。
旦那でも彼氏でもないのに束縛しすぎなんだよ。
雪恵ちゃんも、いつもいつもこいつと一緒で嫌にならないのかい?」
「和樹と一緒に居て嫌だと思ったことなんか一度もなくってよ?
ずっと一緒に居て貰いたいわ…。
ただの執事じゃないんだもの。
運転手も秘書も生活に必要なことは何でもこなしてくれているし、
こうやって旦那様の役も恋人の役もしてくれるもの」
「ぶっ……。『役』ねぇ。
花村、御愁傷様でごぜえやす」
「やかましい。お前はその役にもなれない役立たずだろうが」
「ちょっと、貴方達どうしてすぐにそうやって言い合いになるの?
大学の同期って、もっとこう…親しくお付き合いしてもいいんじゃないの?不思議だわ…」
「雪恵ちゃん、花村と俺が仲良くなったら、そっちの方が不思議だよ」
二人して仲良く同じことを言うのにね……。
「いらっしゃい雪恵ちゃん、セッション聴いて貰えて嬉しいよ。
もう少し早く来てくれていたら、ピアノを雪恵ちゃんに変わって貰えたかも知れないね、残念だったなぁ」
「あら、専属のプロを差し置いて弾くわけにはいかないわ」
「西島、雪恵様はオーナーだろう。言葉遣いを慎めと何度言ったら分かる?
それにお前がセッション出来るようなお相手ではない」
「よう、花村、お前も居たのか。
いつもお堅いボディーガードでご苦労なこったな…。
じゃあ、お前のピアノで雪恵ちゃんに何か唄って貰うのはどうだ?
花村ならお相手出来るんだろうよ」
「お相手はできるが、ここでは雪恵様がお唄いになることはないな」
「西島さん、ごめんなさいね、和樹ったら私がクラブで唄うことに反対なのよ。
ピアノなら後で少しだけ、ね」
「ふん。仕方ないよな、雪恵ちゃんは素人離れしたジャズシンガーでもあるのになぁ…」
「そんなのは、わかりきっていることだ。
プロ並みでいらっしゃるから、もったいなくて西島には聴かせられないんだ」
「……けっ。まったく花村は雪恵ちゃんベッタリで気に食わない。
旦那でも彼氏でもないのに束縛しすぎなんだよ。
雪恵ちゃんも、いつもいつもこいつと一緒で嫌にならないのかい?」
「和樹と一緒に居て嫌だと思ったことなんか一度もなくってよ?
ずっと一緒に居て貰いたいわ…。
ただの執事じゃないんだもの。
運転手も秘書も生活に必要なことは何でもこなしてくれているし、
こうやって旦那様の役も恋人の役もしてくれるもの」
「ぶっ……。『役』ねぇ。
花村、御愁傷様でごぜえやす」
「やかましい。お前はその役にもなれない役立たずだろうが」
「ちょっと、貴方達どうしてすぐにそうやって言い合いになるの?
大学の同期って、もっとこう…親しくお付き合いしてもいいんじゃないの?不思議だわ…」
「雪恵ちゃん、花村と俺が仲良くなったら、そっちの方が不思議だよ」
二人して仲良く同じことを言うのにね……。


