ふと窓の外に目をやる。

校庭では、高校に来てまで部活に勤しむ生徒が多数居た。

もう受験生の歳なのによく遊んでられるな…。

僕の皮肉なまでの思いは心にしまいこんだ。


「あれ…何してるの?」


反射的に後ずさってしまう。
が、そこに居たのは先生ではなく、黒い綺麗な長い髪の毛の女の子だった。

確か名前は…東雲、優香だったはずだ。

同じ学年なのに名前を覚えていないのは、僕の女性に対してのコミュニケーション不足からだ。

恐る恐る返事をする。


「あ…、いや…ここ…涼しいじゃん?」

「…へ?」


きょとんとした顔で首を傾げる東雲さん。

これはやばい。とてつもなく変な人だ僕…。