「ゆうくーん!」


ふと、遠くからそんな声がした。

僕は眼を開け声のする方に振り向いた。

そこには笑顔で手を振る彼女が居た。

茶色がかった元気なショートヘアなのに折れてしまうかと思うくらい細い女の子らしい腕。

幼さと大人びた魅力が入り混じったような彼女はいつもと変わらない素敵な笑みだった。

僕も思わず微笑み手を振る。


僕の2人目の大切な人。
…2番目に大切な人。


が、雫が頬を光らせ、その煌めきに彼女は不思議そうに首を傾げた。