君についた10のウソ

「あたしは、そんなこと思ったことない。優が傷つかずに、幸せでいられるならそれでいいと……思ってたの」



心から、心の底から本当に。


優の幸せを願ってた。



「周りから見てそんな風に見えてた?自分をなくして、優のことを思うあたしがカッコいいだとか、優しいだとかそう見えてた?あたしはそんなこと、どうでもいいんだよ」



周りからカッコいいと思われるなら。

優しいと思われるなら。


そのすべてと引き換えに、優の大きな愛が欲しい。


手のぬくもりも、優しい言葉も、愛してるという気持ちも。

優のすべてを手に入れたい。



「苦しくないのかって?苦しいよ。今まで味わったことのないくらいの苦しみだよ。日々が苦い」



優がいたときは甘くて幸せな日々だった。


でもこの頃は、そんな幻想も抱けないほどに。


苦しくて苦しくて苦しくて。

辛くて辛くて辛くて。


全部全部押し込めて自分を保っていたの。



「……梓に、梓にこの気持ちが分かるの?ねぇ、分かる……!?そんなこと言うなら、今すぐ優を元に戻してよ!!」



思わず口調が強くなって激しくなる。