君についた10のウソ

「お前、俺のクラスメイトかなんか?」


「……そうだよ」



あたしと優は……友達だよ。ただのクラスメイトだよ。


改めて言葉にすると息が苦しくなる。


ちゃんと慣れていかなくちゃ…



「…お前だけなんだよな……」


「あたしだけ?なにが?」



独り言のように言った優の言葉が気になる。




「覚えてないの、お前だけなんだよ」




時が……時が止まったかと思った。


あたしだけって…え…?


じゃあ他の人は覚えてるってこと?


確かに優は家族のことは覚えていたけど、他の人も覚えてるの…?



「透だって石ちゃんだって…クラスのやつらのことはちゃんと覚えてるんだよ。だけど、お前だけ記憶にない。存在がない」



そこから次々とクラスメイトの名前を挙げていく優。



優といちばん仲のよかった日吉透。


あたしたちのクラスの担任の石丸先生。


その他もあたし以外全員覚えてる。