*
次の日の朝。
家の前で優が来るのを待つあたし。
昨日の放課後、あたしが桃菜ちゃんの頼みを受け入れたあと、嬉しそうな桃菜ちゃんに今度はあたしが頼んだんだ。
“あと1日あたしにちょうだい”って。
今さらながら、なんであんなことを受け入れちゃったんだろう……
お人好しにもほどがあるよ。
「はよ」
塀に寄りかかって下に向いていた視線をあげると優がいた。
「おはよう」
今日が最後だね、とはまだ言わない。
もう少し、楽しい時間を過ごしたいもん。
晴れの日も雨の日も。
毎朝ふたりで手をつないで歩いたこの道。
もちろん今はあたしの左手は虚しく宙に浮いているけど。
優を求めて宙に浮いているけど。
それでも楽しくて、時間が過ぎるのがあっという間で。
いつもいつも、いつの間にか学校についていた。
「本木?なんかあったのか…?」
「え?な、なんで?」
「ぼーっとしてるし。昨日先生に呼び出されてなにか言われたか?」
チラッとあたしを見ながら優は言う。
きっと梓が先生に呼び出されたことにしてくれたんだろう。
会ったらありがとうって言わなくちゃ。
次の日の朝。
家の前で優が来るのを待つあたし。
昨日の放課後、あたしが桃菜ちゃんの頼みを受け入れたあと、嬉しそうな桃菜ちゃんに今度はあたしが頼んだんだ。
“あと1日あたしにちょうだい”って。
今さらながら、なんであんなことを受け入れちゃったんだろう……
お人好しにもほどがあるよ。
「はよ」
塀に寄りかかって下に向いていた視線をあげると優がいた。
「おはよう」
今日が最後だね、とはまだ言わない。
もう少し、楽しい時間を過ごしたいもん。
晴れの日も雨の日も。
毎朝ふたりで手をつないで歩いたこの道。
もちろん今はあたしの左手は虚しく宙に浮いているけど。
優を求めて宙に浮いているけど。
それでも楽しくて、時間が過ぎるのがあっという間で。
いつもいつも、いつの間にか学校についていた。
「本木?なんかあったのか…?」
「え?な、なんで?」
「ぼーっとしてるし。昨日先生に呼び出されてなにか言われたか?」
チラッとあたしを見ながら優は言う。
きっと梓が先生に呼び出されたことにしてくれたんだろう。
会ったらありがとうって言わなくちゃ。

