君についた10のウソ




数日後。もちろん登校は優と一緒に。


この前から新しい席での生活がスタートした。


したんだけど……黒板を見ると自然と目に入るふたり。優と桃菜ちゃん。


授業中も休み時間も。


気になってしまってしかたがない。



「はぁ……どうしてこんなことになっちゃったのかなー……」



休み時間、頬杖をついてボソッとつぶやく。



「だったら言えばいいじゃない。あたしの優をとらないで!って」


「ちょっと梓、声が大きいよ!」



あたしのつぶやきが聞こえたのか梓があたしの声マネをしながら答えた。


声大きいし、あたしの声ってそんなじゃないし……


少しムスッとしながら優と桃菜ちゃんのほうを見ると、ふたりとも話に夢中で。


良かったとホッとすると同時に胸が痛くなる。



「沙耶ちゃん、寂しい?なら俺のココ、空いてますよ」


「………透くん?大丈夫?」


「今笑うところ!!真顔で大丈夫とかやめて!?」


「透ズタボロじゃん」


「梓ちゃんもオブラートに包んでよ〜…」



うなだれる透くんに笑ってしまう。



「…ここで笑わないで……傷が深くなる……」


「ごめんね」



笑いを抑えきれないまま適当に謝る。