君についた10のウソ

「みんな引いたかー?じゃあ移動始めろー」



石ちゃんの言葉を合図にみんな机をガタガタと移動させ始める。


あたしは横に3つずれるだけだから楽に終わるけど、遠い人は机を運ぶだけで一苦労だ。



「ふぅ……」



机を運び終えてみんなが移動するのに邪魔にならないようにする。


優とかはどこなんだろ……


空を見上げると肩をポンポンと叩かれた。



「沙耶!あたしたち前後だよ!!」


「え?梓ほんと!?やったー!」


「俺もいるよー」


「透は別にいなくてもよかったのに」


「梓ちゃんヒドい!!」



あたしの周りには見慣れた顔がたくさん。


あたしの右隣が透くんで後ろが梓。


クジ運いいなぁ……



「お?お前らみんな近いじゃん」


「優までいるってどんな嫌がらせなの…」


「今日の透ってよく俺に喧嘩売るよな」


「売ってません!!」



突如、視界に優が現れる。


優は透くんの前の席みたい。


優と近くて嬉しいよ?嬉しいけど……


透くんの前、あたしのななめ前、ということは。



「優!あたしたち隣だねっ!!」


「城崎もか!」


「うん!すっごく嬉しい!!」


「俺も〜」



桃菜ちゃんが優の隣ってことだよね……