君についた10のウソ




授業も終わった帰りのHRの時間。


石ちゃんが教室に入ってきた途端あることをしようと言い出した。



「大山も帰ってきたということで、今日は席替えするぞー」


「うおっマジか!!」



ガタッと音を立てながら立ち上がった優にみんなが声をあげて笑う。


優は今教卓の前の席だから嬉しいんだよね。


あたしは良くも悪くもないからどっちでもいいけど。



「あぁ。大山がプリント頑張ったからな」


「ちょーでき良かっただろ?」


「どうせ本木にでも手伝ってもらったんじゃないのか?」


「はっ?ち、ちげーし」


「優ー!声裏返ってるぞー!!」



北山くんの鋭いツッコミにより一層うるさくなる教室。


優は恥ずかしいのか顔が少し赤くなっている。


そんな優にあたしもクスクスと笑みがこぼれる。



「ま、まーなんだ。俺のおかげだからみんな感謝しろよ?」


「沙耶ちゃんありがとう!!」


「あ、透お前!!お前だって教えてもらってただろ!!」


「そ、それは言わないでよ〜…」



優と透くんのやりとりに、またみんなが笑う。


クラスを明るくしてくれるのはだいたいこの三人。


だから、みんなモテるんだ。


優のことを顔で好きになったわけじゃないけど、性格も顔もいいから。