今年は写真……ない、よね…
ちょっと悲しいな…とショボンとしてしまう。
「沙耶。……これも」
「………これ」
梓に差し出されたそれは、今まさにあたしが考えていた写真で。
五月の体育祭のあとの泥まみれになったふたりが笑っていた。
懐かしい……
「借りモノ競争、最高だったわね。なんたって優が引いたの“学校でイチバンの人”だもんね。ね?イチバンの人!」
「やめてよー……まったく…ほんと、なんでこんなに………」
「優はバカなことしてるよねぇ。こんっなに想ってくれてる人がいるのに」
「……このまま桃菜ちゃんとずっとになっちゃうのかな………」
ついこんな暗いことを言ってしまう。
でもね……
これがあたしの本音だから。
なによりも不安で、なによりも心配。
信じていたいけど、その心も折れそうになるときがあるんだ。
「沙耶の悪いクセがでてる。自分が奪ってみせる、くらいに思いなさいよ」
「それができれば苦労しないよ……」
「ま、大丈夫よ。ふたりなら」
そう言って自分の席へ歩いていってしまう梓。
……なんだろう。
理由は分からないけど。だけど。
梓が言うと、本当に大丈夫って思える。
たぶん、それは梓が大切だから。
大好きだから。
梓、もし、あたしがまた悪いことを言っていたら、“大丈夫”って言って、あたしに自信をください。
ちょっと悲しいな…とショボンとしてしまう。
「沙耶。……これも」
「………これ」
梓に差し出されたそれは、今まさにあたしが考えていた写真で。
五月の体育祭のあとの泥まみれになったふたりが笑っていた。
懐かしい……
「借りモノ競争、最高だったわね。なんたって優が引いたの“学校でイチバンの人”だもんね。ね?イチバンの人!」
「やめてよー……まったく…ほんと、なんでこんなに………」
「優はバカなことしてるよねぇ。こんっなに想ってくれてる人がいるのに」
「……このまま桃菜ちゃんとずっとになっちゃうのかな………」
ついこんな暗いことを言ってしまう。
でもね……
これがあたしの本音だから。
なによりも不安で、なによりも心配。
信じていたいけど、その心も折れそうになるときがあるんだ。
「沙耶の悪いクセがでてる。自分が奪ってみせる、くらいに思いなさいよ」
「それができれば苦労しないよ……」
「ま、大丈夫よ。ふたりなら」
そう言って自分の席へ歩いていってしまう梓。
……なんだろう。
理由は分からないけど。だけど。
梓が言うと、本当に大丈夫って思える。
たぶん、それは梓が大切だから。
大好きだから。
梓、もし、あたしがまた悪いことを言っていたら、“大丈夫”って言って、あたしに自信をください。

