君についた10のウソ

「はよー」


「………優!!」



さっきまで楽しみ、だとかはしゃいでいたはずの優は学校につくといつも通りを装っていた。


前と変わらない、優、あたしの順で教室に入ればすぐにみんなに囲まれてしまって。


教室が和気あいあいとする。



「さーや!!優と仲よさげじゃん?」


「えへへー」


「なによそのニヤけ顔!」



コツンと梓に小突かれる。


一応梓には桃菜ちゃんのことも話してある。


けど、他のみんながどんな反応をするのか、不安で不安でしかたがない。


優に勘づかれなきゃいいんだけど……



そう思った矢先、彼女の声が耳に入ってきた。



「おっはよー!あ、優ー!!」



その瞬間、教室は静まり返って。


みんなの頭の上にはクエスチョンマークが浮かんでいる。


桃菜ちゃんね、もともと優のことを大山くんって呼んでたから。


不思議に思うのはおかしくない。というより当たり前なこと。



「おー城崎、はよ!」


「学校で会えるのが楽しみでなかなか眠れなかったんだからねー?」


「ははっわりーわりー」


「ううん!優が変わらずいてくれてるんだからいいよ!!」



ふたりの会話にまたテンションが低くなる。


クラスメイトたちは未だにクエスチョンマークを浮かべていて。