君についた10のウソ

病室に戻って寝ている優のことを見つめていれば、いろんな思いがこみ上げてきて。


気づかないうちにおばさんたちはいなくなっていた。



…気遣わせちゃったかな……




……優。


優はいつでも優しかったよね。


多少口が悪いところはあったけど。



笑った顔も照れた顔も怒った顔も。


全部全部大好きだった。


手放したくなんかないくらいに大好きだった。



優の彼女になって、いろんなことして。


楽しい時間を過ごして。


もっともっと、気持ちが大きくなって。



…本当はね。彼女のままでいたいよ……?



だけど、優のことが好きだから。


だれよりも大切だから。



…友達に戻ります。


もう今から優とあたしは友達です。


付き合う前のもどかしかった関係に戻ります。



きっと優の彼女のままでいたら苦しめてしまう。傷つけてしまう。


でも、あたしが友達に戻る決心ができたのは自信があったから。



いつか気づいてくれる。


いつか思い出してくれる。



その自信があるから。


その日がくるまで、優とあたしは……



友達です。