「もうっ、沙耶ちゃんったら良い子なんだから……」
「本当だよ……こんな状況でも自分のことじゃなくて相手のこと考えてるなんて…」
目をウルウルさせながら笑うおばさんにホッとする。
透くんも笑ってくれていて。
「おばさんも、みんな、沙耶ちゃんの味方だからね?辛くなったら言いなよ?」
「はい。……ありがとうございます。それと、こんなことになってすみません」
「いいのよ。優と沙耶ちゃんが笑っていてくれれば、もう他にはなにもいらないわ……」
さ、おにぎり食べましょ、とおばさんが言って三人、それぞれかぶりつく。
噛むたびに、心の奥の感情がこみ上げてくる。
「しょっぱいわねぇ……」
おばさんがポツリとつぶやいた言葉にだれも反応しなかったけど。
気づかないうちに流れだした涙がおにぎりに染み込んで。
おばさんが買ってくれた鮭おにぎりは、
………しょっぱい涙の味がした。
おにぎりを食べ終わったころ、みんなの頬には乾いた涙の跡が残っていて。
それを隠すかのようにみんなで声をだして笑った。
きっとみんなも未来を信じてる。
描いた未来が今になると。
空気の中の笑いが現実になると。
こんなにしょっぱいおにぎりはこれっきりだと。
みんな、みんな………信じてる。
「本当だよ……こんな状況でも自分のことじゃなくて相手のこと考えてるなんて…」
目をウルウルさせながら笑うおばさんにホッとする。
透くんも笑ってくれていて。
「おばさんも、みんな、沙耶ちゃんの味方だからね?辛くなったら言いなよ?」
「はい。……ありがとうございます。それと、こんなことになってすみません」
「いいのよ。優と沙耶ちゃんが笑っていてくれれば、もう他にはなにもいらないわ……」
さ、おにぎり食べましょ、とおばさんが言って三人、それぞれかぶりつく。
噛むたびに、心の奥の感情がこみ上げてくる。
「しょっぱいわねぇ……」
おばさんがポツリとつぶやいた言葉にだれも反応しなかったけど。
気づかないうちに流れだした涙がおにぎりに染み込んで。
おばさんが買ってくれた鮭おにぎりは、
………しょっぱい涙の味がした。
おにぎりを食べ終わったころ、みんなの頬には乾いた涙の跡が残っていて。
それを隠すかのようにみんなで声をだして笑った。
きっとみんなも未来を信じてる。
描いた未来が今になると。
空気の中の笑いが現実になると。
こんなにしょっぱいおにぎりはこれっきりだと。
みんな、みんな………信じてる。

