*
透くんとおばさんとあたし。
「「「…………」」」
だれも言葉を発さずに、無言で目の前のおにぎりを見つめている。
優と桃菜ちゃんがカップルとなってしまったあと、あたしたちは病室にいることもできなくて。
三人で共有スペースに来た。
「ねぇ……沙耶ちゃん…」
「……なんですか……?」
「沙耶ちゃんは………その……」
ためらっていてなかなか続きを話さないおばさん。
あたしは待つことしかできない。
「……良かったの?これで…」
「俺も、そのこと聞きたかった……」
おばさんに同調するように言った透くんは顔をあげてあたしを見つめる。
なんて言えばいいのかな……
良くはないけど、でも。
「しかたないことだから……いいんです」
「しかたないって、違うって一言言えばいいだけなのよ?」
そうだけど、そうじゃない。
あたしがもし違うって言ったら。
……桃菜ちゃんはどうなる?
「優に違うって言えば、桃菜ちゃんのウソがバレます。そうしたら、桃菜ちゃんがみんなから批難されるのは目に見えてますから……」
どうやったってクラスのみんなにはバレてしまうだろうし、きっと優は冷たくなる。
最悪いじめにつながる可能性だってなくはない。
透くんとおばさんとあたし。
「「「…………」」」
だれも言葉を発さずに、無言で目の前のおにぎりを見つめている。
優と桃菜ちゃんがカップルとなってしまったあと、あたしたちは病室にいることもできなくて。
三人で共有スペースに来た。
「ねぇ……沙耶ちゃん…」
「……なんですか……?」
「沙耶ちゃんは………その……」
ためらっていてなかなか続きを話さないおばさん。
あたしは待つことしかできない。
「……良かったの?これで…」
「俺も、そのこと聞きたかった……」
おばさんに同調するように言った透くんは顔をあげてあたしを見つめる。
なんて言えばいいのかな……
良くはないけど、でも。
「しかたないことだから……いいんです」
「しかたないって、違うって一言言えばいいだけなのよ?」
そうだけど、そうじゃない。
あたしがもし違うって言ったら。
……桃菜ちゃんはどうなる?
「優に違うって言えば、桃菜ちゃんのウソがバレます。そうしたら、桃菜ちゃんがみんなから批難されるのは目に見えてますから……」
どうやったってクラスのみんなにはバレてしまうだろうし、きっと優は冷たくなる。
最悪いじめにつながる可能性だってなくはない。

